原題: Melancholia出演: キルステン・ダンスト (Kirsten Dunst) メモ: 2012年3月1日・ TOHOシネマズ みゆき座 鬼才・ラース・フォン・トリアー監督の最新作。主演のキルステン・ダンストが、この作品でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞。 延々と流れるワーグナーのトリスタンとイゾルテのプレリュード。このメロディに乗せてトリアー監督の世界が、じわじわと、じわじわと画面から浸みてくるような作品。 物語は、ジャスティンとクレア姉妹それぞれの立場から、パート1とパート2に分かれている。パート1では、自分の結婚式を自ら台無しにしてしまう、情緒不安定な妹・ジャスティンと、しっかり者に見える姉・クレアが描かれている。 手配されたリムジンがカーブを曲がり切れずに歩いて結婚式場に着いたジャスティンは、姉から2時間遅れの式次第についてイヤミを言われ、義兄からは式の費用についてイヤミを言われ、母は結婚の無意味さを式の場でぶちまけてしまい、新郎からは望みもしないリンゴ畑を君のために買ったと押しつけられ、ついぞ感情のコントロール機能が破壊されてしまうのだ。 その頃、ひたひたと、惑星メランコリアが地球に近づいていた。 ひとりでは何もすることができないほどに病が進行したジャスティンは、パート2で、姉夫婦の家庭にひきとられる。毎日憂鬱そうなジャスティン。しかし、メランコリアが不気味な軌道を描いて地球に近づき、人々が衝突の可能性について怯えるようになると、気弱だったジャスティンとクレアの立場が逆転する。 ジャスティンは落ち着いたのに対し、衝突の恐怖に怯えるようになるクレア。義兄は恐怖に耐えることすらできなかった。そして、最後の瞬間にはバルコニーでみんなでワインを飲みたいというクレアの提案を、くだらないと一蹴するジャスティン。結婚式のプランをクレアから押しつけられていたジャスティンとは明らかに異なる態度だった。 間もなくして、メランコリアがついに・・・ という内容。 トリアー監督作品の中では、とてもマトモに感じられた作品でした。次回作も期待しています。 原題: Beginners出演: ユアン・マクレガー (Ewan McGregor) メモ: 2012年2月22日・ TOHOシネマズ シャンテ クリストファー・プラマーがこの作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞。それに値するのは当然なほど、彼のゲイである父親役は素晴らしかった。 物語は齢75歳になった父親の「ゲイなんだ」というカミングアウトの回想から始まる。自分の気持ちに正直に生きて余生を送りたい父親の生まれ変わりの瞬間だった。しかし、ほどなくしてガンを宣告され、闘病生活に入ってしまう。 そんな父の人生と、ちょっと奥手な息子が、父の死後に出会った自由奔放な女性との恋愛を重ねながら、自らの幸せをつかんでいくという内容。 配役がなかなかよく、父親のボーイフレンド役の葛藤ぶりと閉塞感も良かった。そして、同居している犬がこれまた大変に愛くるしい。思わず「一匹ください」と言いたくなってしまう。 ほんのりと生きている喜びをかみしめたい、と思わせる映画だった。 出演: 原田知世メモ: 2012年2月16日・ ヒューマントラストシネマ有楽町 北海道で宿泊施設を備えたカフェを経営する夫婦と、そこに訪れる客とのストーリー。 現実と非現実の間を楽しむ映画なので、その空間を楽しもうと思ったんだけど、なんだかできない…。何故だかはよく分からないが、どうしてもできなかった。 どうもひとつひとつの話が薄いせいだろうか?伏線の話の作り込みで、もっともっと面白くなった映画だと思うのだけれど。 それと、原田知世の透明感に頼りすぎという感じも受ける。大泉洋を夫役に出したのだから、もうちょっと元気な夫婦でもよかったんじゃないのか?っていうのは私の希望です。三島有紀子監督の次回作に期待。 出演: 五十嵐信次郎メモ: 2012年1月14日・ TOHOシネマズ錦糸町 会社の知名度を上げるためだけに作っていたロボット。発表会の前にアクシデントで大破してしまい、焦りに焦りまくる開発担当者たち。期待する社長の前にその事実を言えず、一回限りになるだろうとの思いで中に人間を入れてその場を切り抜けることを思いついた。オーディションを経て、ひとりの爺さんがそのロボットの中に入ることになるのだが、その動作性の高さから、どーんどんロボットが有名になっていく---そして、爺さんの要求もエスカレートしていく…。というコメディ。 ミッキー・カーチスが五十嵐信次郎の名前で出演。爺さんの心の成長や、開発担当者たちとの交流を見ているのは楽しかった。 原題: Kramer, Kramer出演: ダスティン・ホフマン (Dustin Hoffman) メモ: 午前十時の映画祭・2012年1月11日・ TOHOシネマズ みゆき座 1979年作品。私のベストテン映画に上げられる作品のひとつ。「午前十時の映画祭」で鑑賞。 家庭をかえりみずに働いていた夫が、ある日突然に妻から別れを告げられ、息子と二人だけの生活が始まる。 当初は子どもの学年すら認識しておらず、果ては家事育児のために仕事に支障をきたすようになった夫だが、そのうちワークライフバランスの取れた息子とのベストな親子関係を築き上げる。 しかし、その幸せな時間もつかの間で、これまた突然に妻が息子を引き取りたいと裁判を起こしてきた…。という夫婦・家族の物語。 専業主婦が主流の時代が終わりを告げ、子育てに男性が参加していくようになる流れの一遍を描き出している傑作だ。 ダスティン・ホフマンもメリル・ストリープも若い! 原題: Restless出演: ミア・ワシコウスカ (Mia Wasikowska) メモ: 2012年1月11日・ TOHOシネマズ シャンテ ガス・ヴァン・サント監督の青春ドラマ。両親を事故で失い葬式を見ることを趣味とする男子と、不治の病で余命が3ヵ月しかない女子が主人公。それと、ふつうの人には見えないゴーストの友人が男子にはいて、生きているということ、そして死ぬということの一連のプロセスについて導いている。 テーマ的には新しくないけれど、ガス・ヴァン・サント監督らしい一作品で、落ち着いて見られるといった感じの映画だった。 原題: Paul出演: サイモン・ペッグ (Simon Pegg) メモ: 2012年1月9日・ シネ・リーブル池袋 アメリカにオタク系の観光に来たイギリス人男性二人が、途中で拾ったエイリアンを伴って爆走するロードムービー。もちろん、コメディ。 イギリス人×エイリアンの組み合わせで、スティングのEnglishman in New Yorkにある”I am an alien, I am a legal alien. I am an Englishman in New York~♪”という歌詞を思い出していたが、映画はこんなしっとりしたものでは、当然ない。必ず笑えます、がっかりさせません、とばかりに笑いが連打されてくる。宇宙人なんて古いアイテムかと思っていたけれど、まだまだ笑いのネタになるのだ。 主演が『ホット・ファズ』のふたりゆえに、笑えるといえば当然だったかもしれない。 加えて、アメリカ中西部の渇いた寂しい背景に、イギリス人と宇宙人がドライブしているという、へんてこりんな設定からして愉快。 有名エイリアン女優の登場&退場にはびっくり。 原題: Mission: Impossible - Ghost Protocol出演: トム・クルーズ (Tom Cruise) メモ: 2012年1月1日・ TOHOシネマズ渋谷 見ておいて損はなかろうお正月アクション映画。 それなりのアクションと、それなりのスリル、加えてそれなりのコメディ加減。 どんなストーリーだったかはすぐに忘れてしまっても、なんだかとても面白かったことだけ覚えているような映画だった。 ってか、ストーリーが壮大過ぎて記憶に残らない。トム・クルーズのお陰でアメリカが格爆弾から守られました…ってのは…すご過ぎないか? いずれにしても、トム・クルーズはまだまだいけそうだ。 原題: New Year's Eve出演: ロバート・デニーロ (Robert De Niro) メモ: 2011年12月29日・ ヒューマントラストシネマ渋谷 オールスターキャストによる、ニューヨークの大みそかのお話。 タイムズスクエアでおこなわれる恒例のカウントダウン・イベントがメイン舞台。 アメリカ人が喜びそうな、ところどころで必ず笑えるユーモアとみんなハッピーになるエンディング。 キャストの豪華さを見るだけでも価値はあるので、時間があるときにはお薦めの一本といったところ。なんてたって、ジョン・ボン・ジョヴィまで出てますぜい! とはいえ、ずっと頭の中をめぐっていたのは「サラ・ジェシカ・パーカーとミシェル・ファイファーの配役は逆にしたほうがいいんじゃないか?」という点。そして、それは最後に確信することになりましたとさ。 ザック・エフロンはいい役者になったなぁ~。 原題: 夾辺溝 (a.k.a. The Ditch)出演: ルウ・イエ メモ: 2011年12月25日・ ヒューマントラストシネマ有楽町 1960年代にあった埋もれた史実を再現した作品。監督はドキュメンタリー作品で知名度が高い王兵監督。 まず、カメラワークが素晴らしい。自分がその場に居合わせるような臨場感が画面から伝わってくる。されど、題材は苦渋に満ちて辛辣。よって、時々は見ているのが辛い。 話は毛沢東の時代。スターリン批判の風潮を恐れた中国共産党が、党への批判を歓迎します、中国共産党は開かれた党だからOKなのです、的なキャンペーンを張った。しかーし、それはすぐに撤回されることに。そこで批判した人は制裁としてゴビ砂漠の強制労働に送られてしまう。この話はその労働者たちの宿舎での様子が描かれたものなのだ。寒さ、餓え、疾病、絶望…その中でも餓えについてが非常にリアルだった。食べないと生きられないから、食についての欲が生命への執着に投影されているのだろうか。たしかに、映画の中で労働者が生きることへの希望を少しでも見せていることが救いに感じられた。 大衆に知られないままの悲劇を掘り起こしていくのも映画のお役目だろうなぁ。
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